DEEPER into Atomic #2

基礎

1.e3は実戦で出てくることが少ないですが、1...e6の最善を返すとレート2000+帯では高確率で2.Qh5 g6 3.Nf3が返ってきます。

白Qxh7でhファイルから速い攻めを仕掛ける準備ができるため、互角の局面なのに白だけが指しやすい展開が長く続きます。3...Qh4 4.g3 Qb4 5.c3 f6 6.Qxh7 Qxb2が一例ですが、Kの安全性を犠牲にした代償がBだけなので、結局白だけが指しやすいラインになってしまいます。

実戦例

このような展開を避けるラインとして、1...Nf6 2.Qf3 c6があります。黒からQa5-Kd8-Ne4/Ng4とする狙いがあるので、互いに即死があり得るラインに突入します。以下4...Kd8まで。

4...Kd8に対し5.Qf5 e6 6.Qg5までは最善で進みましたが、6...d5が悪手でした。

SF11+HCEの推奨手6...Bd6はQxg7の時にf8Bが巻き込まれないようにするのと、Bxh2で駒得するのを狙った手になります。d7が弱点になるため実戦では見えにくい1手ですから、覚えておいた方が良いでしょう。今回のように互いのQが展開されたポジションでは、Qxg7やQxh7で勝負が決まることがよくありますので、メイト以外に大量駒損のラインも注意しなければいけません。

今回は以上です。